被爆について

レントゲンによる被爆をご心配されている方へ

日本人の検査によるレントゲン被爆量が世界一と報道されて以来、レントゲンを怖がられている方が多いようです。しかし、レントゲン検査によって得られる情報が、とても重要なことをご存知でしょうか。前頁のCT検査では、早期の肺癌でも発見が可能です。どんな病気でも、早期発見、早期治療が基本です。(もちろん予防できるものは予防が第一ですが)以前、日本における悪性新生物の第一位は胃癌でしたが、平成10年から、男性の一位は肺癌になり、女性では胃癌に次いで、肺癌が二位です。内視鏡の普及で胃癌の早期発見が進む中、肺癌の早期発見にはこの、CTが威力を発揮することと思います。

被爆についても、健診でバリウムやCTなど、必要な検査全てを受けても、一年で決められている線量には達しない事が証明されています。年に1~2回の健診で被爆を問題にする必要はないと思われます。レントゲンをたとえると、お酒のようなもの、といえば分りやすいでしょうか。お酒も、一気に沢山飲めば、急性アルコール中毒で、死に至る場合があります。しかし、適量を飲んでいる場合には何の問題もありません。被爆を避けると言うことで、集団レントゲン検査を間引いたことで、結核の集団発生につながった例もあります。いたずらに怖がるのではなく、必要な時に、安全な方法で受ければよいのです。

健診を受けられる女性の方へ

婦人科検査について

健康診断で一般に行われるのは、子宮頚部細胞診という、子宮の入り口の細胞を擦って採取し、それをスライドグラスに伸ばして染色し、顕微鏡で見る検査です。子宮頸癌の発見に役立ちます。(当センターで行っているのは、 Thinlayer 法での細胞診で、従来の方法に比べ、異型細胞などの検出率がぐんと高くなっています。) この検査で、炎症性の細胞や、異型成などが見られる事があります。程度によって、時間を開けての再検査や、一歩進んだ詳しい検査などが指示されます。
もし、癌が発見された場合でも、早期であればほぼ100%治癒しますので、あわてず医師の指示に従ってください。

女性の経腹部骨盤腔超音波検査について

以前に経膣骨盤腔超音波検査を受けたことのある方は、なぜお小水をためて経腹部で行うのか、疑問に思われるかもしれません。お小水を我慢することのない、経膣検査のほうが楽ですよね。でも、健診として、特に自覚症状のない方が検査を受ける場合、経腹部検査のほうが広範囲を見る事ができ、異常を発見しやすいのです。また、経膣検査は羞恥心を伴います。その点、、経腹部検査はそれほど抵抗なく受けられるようです。バリウムや他の検査が終了して、飲水ができるようになったら、気持ちが悪くならない程度に、なるべくたくさん飲みましょう。ゆっくり飲んでいると、なかなか溜まらないようです(飲み終えてもお小水として溜まるまでは時間がかかります)。お小水を我慢するのはつらいですが、この検査は女性にとって、とても大事な検査です。頑張って、と言うのは変ですが、何とか乗り切りましょう。

また、不正出血や、月経過多、腹痛などの自覚症状があった場合、次の健診を待たずに直ちに婦人科を受診してください。婦人科の病気には、子宮癌以外にいろいろあります。(もちろん婦人科以外の病気ということも考えられます)