検査項目について

血球数算定:
白血球や赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板などの数を測定します。

白血球    各種感染症、血液疾患(白血病など)、アレルギー疾患、激しい運動や食事の後などでも上昇します。逆に、低下が見られるのは、重篤な感染症や再生不良性貧血、悪性リンパ腫などです。
白血球分画とは:好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球の割合を百分率で表したものです

赤血球    多血症などで上昇し、貧血などで低下します。
ヘマトクリットとは血液中の赤血球の占める容積比率のことです。
ヘモグロビンとは、血色素のことで、血液中で酸素の受け渡しをしています。

血小板 血液の凝固に関わっており、紫斑病などの出血傾向の指標にもされます。

肝機能検査:
SGOT AST    ASTと呼ばれる。心筋、肝、脳に多く含まれる酵素。肝炎や心筋梗塞で上昇します。
SGPT ALT    ALT と呼ばれる。多くは肝細胞内に、その他1 / 3程度が腎臓に含まれ、肝炎で上昇します。
GammaGT     アルコール性肝炎、肝内胆汁うっ滞型肝障害などで上昇します。
ALP     肝胆道疾患、骨疾患などで上昇する酵素です。
ビリルビン     肝炎、肝硬変、胆石症、胆汁うっ滞などで上昇します。
総蛋白     急性・慢性感染症、脱水、消化管閉塞などで上昇します。
肝障害や貧血、甲状腺機能亢進症などで低下します。

アルブミン     血清中の蛋白質の 50 ~ 70 %を占めます。
グロブリン     アルブミン以外で血清中に存在している蛋白質の一種です。
A/G 比     アルブミンとグロブリンの割合を見ることで疾患の原因を推測します。
B 型肝炎表面抗原     スクリーニング検査で、現在 B 型肝炎に感染しているかどうかが分ります。
感染力や活動性については、詳しい検査が必要です。陽性であった場合医師の指導の元で経過観察を勧めます。(定期的な検査が必要)

B 型肝炎表面抗体     B 型肝炎に対して抗体があるかどうかが分ります。
過去に感染し治癒した場合や、予防接種を受けている場合に陽性になります。(感染しても自覚症状のないまま、治癒して抗体ができていることもあります。)

腎機能検査:
血清尿素窒素     腎機能低下、尿管結石、うっ血性心不全などで上昇します。
肝不全、妊娠、尿崩症などで低下します。

クレアチニン:     慢性腎炎、腎不全、心不全、甲状腺機能亢進症などで上昇します。
肝障害、妊娠、多発性筋炎などで低下します。

血中脂質:
総コレステロール:    家族性高コレステロール血症、複合型高脂血症、肝炎、糖尿病などで上昇します。体内に広く分布し、重要な機能を持ちます。多すぎると血管壁に溜まって動脈硬化などの原因になりますが、少なすぎると血管抵抗が弱くなり、脳出血の原因になったりします。
HDL コレステロール     一般に言う、善玉コレステロール。
LDL コレステロール     一般に言う、悪玉コレステロール。
中性脂肪:     食事によって摂取される脂肪のほとんどを占めます。エネルギー源として使用され、余分なものは脂肪組織や肝臓に貯蔵され、この貯蔵能に制限がない事が肥満の原因となります。

痛風検査:
尿酸 痛風、糖尿病、腎炎、尿路閉塞、アルコール中毒、肥満などで上昇します。

糖尿病検査:
空腹時血糖     糖尿病、甲状腺機能亢進症、慢性肝炎、肥満、などで上昇します。
グリコヘモグロビン    過去 1 ~ 2 ヶ月の血糖のコントロール状態を知る事ができます。

膵機能検査:
アミラーゼ     膵臓から分泌される消化酵素の一つです。
急性膵炎、膵臓癌、胆道癌、糖尿病などで上昇します。
慢性膵炎などで低下します。

尿検査: 尿蛋白、尿糖、潜血反応を調べます。泌尿器系の病変や糖尿病などで反応が出ます。気をつけて中間尿を採取しないと、異常値が出る事があります。

便検査: 潜血反応と寄生虫卵の有無を調べます。潜血反応は下部消化管の出血性病変で見られますが、痔核からの出血のこともあります。

胸部レントゲン検査:     肺や胸部疾患のスクリーニングとして使われます。
疑い所見が見られるのは、結核、肺癌、心肥大など様々です。

心電図:    心臓が動くときに生じる電位を波形にしてあらわしたものです。不整脈や心ブロック、心室や心房の肥大など、さまざまな所見が出る事がありますが、所見があっても心配ないものや、経過観察が必要なもの、心臓専門医にかかったほうがいいものなどがあるので、医師の指示に従ってください。
追加検査として、 24 時間心電図、心エコー検査や、運動負荷心電図を指示される事があります。

視力検査: 裸眼で 0.7 以上が正常値とされます。健診で測定するのは一般的な視力のみなので、最近視界がはっきりしないと思われる方は、眼科で他の検査も受けましょう。

聴力検査:    1000 ヘルツと 4000 ヘルツ、それぞれ 35 デシベル以下が正常値とされます。老化による聴力低下は高音域の 4000 ヘルツから起こるのが一般的です。

BMI     18.5~25が標準値とされます。
血圧: 世界的に基準が厳しくなってきており、収縮期で135~140mmHg 、拡張期で90~95mmHg を上限としている所が多いようです。また、それぞれの値だけではなく、拡張期と収縮期の差を見ることも大事です。